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スリランカでヴィパッサナー瞑想10日間合宿に参加してきました③

ヨガ

ヴィパッサナー瞑想10日間合宿の綴り、随分開いてしまいました・・・。
そうそう、いよいよ4日目からのヴィパッサナー瞑想。

最初の3日間のアーナーパーナ瞑想は鼻付近や
鼻からの呼吸に意識をもって行く瞑想で、
ヴィパッサナーは体をスキャニングしていく瞑想。
体の感覚を感じながら、体中をスキャンしていく。
一度座禅を組みベストポジションに持っていったらできるだけ、
身体を動かさないようにする事を推奨されている。

微動だにせず、瞑想し続ける。
痒いところがあってもその痒さを感じながらそれを静観してみる。
その痒さに気が付き、理解しそのうち消えて
無くなっていく(アニッチャー)を感じる。
アニッチャーとは全てのものは流れて行き変化し消えていく。

今と同じまま、不変なものなどはない。
よってそのものに固執しない。何にも心奪われない。
という考え方を指す言葉。

痒さも辛さも感情も同じ、どんな感情もそのうち消えていく。
無常(アニッチャー)だという事を知っていくための訓練。
ただただどんな事も観察していくだけ。
意識を無くしていくそれがヴィッパッサナー瞑想。
意識とは思考や自我のこと。
無意識を意識する事はこの自我から少し距離を置く事になる。
この自我が結構、生きるのに邪魔になり悩まされる。
その自我を無くす為に修行をする。
私達の苦しみは自分の自我が作り出しているもの。
その自我に縛られ苦悩する。
外側からの影響と思う色々な感情も、
結局は自分の思考の縛り。
あんなこと言われた。むかついた。こうあるべき。
これだめ、あれだめ。こうしなくちゃ。
そういう自我に苦悩する。
それを瞑想という方法で自我の縛りから解き放たれる訓練をする。
その方法が呼吸すること。
特別な事は何もなく、
ただただ呼吸を意識してするだけ。
そして、何事も知識はただの妄想でしかなく、
体験だけが現実である。とも、教わる。
その体験という現実、自分の行い、経験値が苦しい時、
ピンチな時に自分を救う。瞑想を体験し、現実にする。
と言っても瞑想中、痒い所はどんどん気になるし、
胡坐を組んでいる足は痛くて動かしたくなるし、
姿勢もどうにかしたい気持ちでむずむずするし、
考えも色々浮かぶし、思い出すし、動かず、
留まり瞑想し続ける事は本当に難しい。
休憩を入れつつ1日10時間以上の瞑想の中で
一度に座ってる時間の1時間、1時間半、2時間と
動かずにただただ感じる瞑想に挑戦。
同じ一日の中でも一度も動かずに疲れも辛さもなく
瞑想に集中できる時もあれば、1時間の瞑想なのに身体も感情もふらふらし、
まったく集中できない時もある。
集中できた時は、服が肌に擦れる感じとか、
無風の中の空気の静かな流れを感じたり、
今までに感じた事のない感覚のとにかく肌がチクチクしたり、
自分の体の周りが一層のなにかで覆われる感じとか、
閉じた目の前が暗黒なのにライトグリーンに染まったり
(ヴィパッサナー瞑想では、このような体験をする瞑想方法はよくないとも教わる。
初めての感覚に包まれる。
だからといって何もない。ただただ内観を観察する。

瞑想合宿は、すべての事がボランティアで運営されていて
そのボランティアの中にはティーチャーと呼ばれるスタッフがいて、
そのティーチャーに大体2日に一度、
参加者が順番に4人づつ別室に呼ばれ面会がある。
ティーチャーから鼻詰まりがないか?
瞑想に集中できているのか?
食事はとれているか?
眠れているか?
瞑想について質問はないか?
など、生活面から瞑想の事などこの場でだけ話す事が許される。
毎日瞑想を体験しながらその日感じた事をティーチャーに相談し、
解決しながら10日間を過ごす。

そして、10日目。朝の瞑想が終わると沈黙が解除される。
80人近くの人とびっしり10日間同じスケジュールで同じものを食べ、
同じ場所で過ごしているのに誰の事も何も知らない。
沈黙が解禁された後、皆同じように辛かった話で盛り上がったりした。
10日間一緒に過ごしたけど何も知らなかったメンバーと、
おしゃべりが解禁されると、黙っている時の印象とは全然違っていたのがすごく面白く、
新しい体験だった。
ただルール通り黙って歩いているだけで、
ツンツンしたイメージな人が話すとすっごく人懐っこかったり、
真面目そうな印象な人が話してみると明るく話好きな人だったり。
人は見た目でわからない。だけじゃなく
振る舞いとおしゃべりも別々のものなんだな。と、とっても不思議な体験でした。

それから、合宿中参加者の中で、
どこかで以前会ったことのある気がした人が何人かいて、
話す事が解禁された後、話すチャンスがあれば聞いてみよう。
と合宿中ぼんやり思っていたことがあったのだけど、
最終日の最後の講話で、
この合宿中に以前どこかであった気がした人がいませんでしたか?
それは、何度も生まれ変わるどこかの輪廻で共に修行した同志に
今世のここで再会しまた一緒に修行したのですよ。
と言われたときは、本当にドキッとした。

それとかっこ悪いので秘密にしておきたい気持ちもないこともない
笑い話として私が泣けた話を。
スリランカ生活にもすっかり慣れ、
手でご飯を食べる事。どこでも裸足なこと。
近所の人が勝手に部屋へ入ってくること。水シャワー。
クーラーのない生活。毎日ほぼカレーであることなどなど、
大概の事はストレスを感じなくなった。
だけど、一つだけと言ってもいいぐらい譲れないことが
トイレットペーパーが必要なこと。
こちらの人はどうなっているのか、
トイレにシャワーや洗い桶があって用を足した後それで洗い流す。
でも、ローカルのトイレにはどこにも紙類はない。
びしょ濡れのままズボンを上げているんだと思う。
郷に従いたい私もローカルに習って試みたけど
いつまでたっても慣れなくて、もう慣れない私に自分自身諦め
トイレットペーパーは必需品な生活をしている。
合宿中にもトイレットペーパーを数個持ち込んだけど、
センターがあるキャンディは山の中にあり
朝は長そでを着込むほど寒くトイレも近くなる。
それに加え、合宿中にいいチャンスだと1日水3L飲むデトックスを
していたものだから、回数がいつもより増え
持って行ったトイレットペーパーが足りず残り少なくなってきた。
センターは外国人参加者も多いからか、
トイレットペーパーの販売もしていて、
私はペーパーが残り1つとなった日に、
沈黙の中、何か困ったことや質問があればメモし伝えるボックスに
部屋番号、名前、ペーパーが欲しい事を書いて入れた。
大体なんでも遅くなるスリランカタイムにもすっかり慣れているつもりで、
余裕をもってメモを入れたけど2日たっても返事がない。
メモを入れるボックスを見に行ったら私のメモは回収されている。
2日に一度の面談の時に、ティーチャーに相談してみたら、
そういう事はあのボックスにメモを入れておきなさいと。
と言われもう一度メモを入れてみる。
その後も待てど暮らせど返事がなく、明日は最終日。
ペーパーは底をつきそうだけど、後一日だけど紙のない生活は譲れなく、
事務室に行ってみて、あの・・・。といっただけで
しーっ。しゃべらないで。
とジェスチャーされ追い返される。
スリランカ生活で唯一の捨てれない私のこだわり。
困ったことを書いて入れておくボックスも無反応。
スタッフに質問することも許されない。
刻一刻と減っていくトイレットペーパー。
たかが紙の話だけど、私の心の中は悲しみと怒りと焦りで
イライラした気持ちがマックス。
それが最後の夜の瞑想の合間の休憩の時、
瞑想部屋から出て外の空気を吸う。
今日で最後だな。
私は何か変われたのか?来る前と違う所に立っているのかな?
いや、さっきすっごい胸の内でイライラマックスで、
自分の気持ちもコントロールできないし、
怒りのマグマが沸いて来て抑えられなかった。
ここに来て何も学べなかったんじゃないか。
10日間修行したって私には無駄だった。
私は何にも変われてないじゃないか~! 

と、寒空の山の中のセンターで満天の星の夜空を見上げながらエーン
。と、泣いちゃいました。
ワンワン泣いた翌日。
朝の瞑想が終わったら解散という最終の朝、
昨日泣いて妙にすっきりしちゃった私は、もういい、紙なしでいい。いらない。
と、開き直っていた所に暖かな微笑みのスタッフが
部屋までトイレットペーパーを持ってきてくれた。
メモ・・・いつみてくれたの?
もう帰るんだけど・・・。 ほんとずっこけた。
下界に降りてきてよくよく考え思い出すと、
かっこもつかないくだらない事でワンワン泣いた私。
 捨てられないこだわりや感情や意識を、
身をもってわかりやす過ぎる形で教えられる出来事となった。
それにしても、今思い出しても自分で自分を笑っちゃうけど。

10日間のヴィパッサナー瞑想合宿を終えてみて、
今思うことは瞑想の入り口、スタートラインに立てたに過ぎない。
方法を教えてもらっただけ。
最初に言われたようにこれから自分自身で経験を積んでいくもの
なんだと感じている。

合宿参加者の中には、もう何度も参加している人や、
世界各国の瞑想センターを渡り歩いて旅をしている人もいた。
私はというといつかまたどこかで参加してみたい気持ちもある。
ある国のセンターは、1人に1つづつ洞穴(洞窟)が与えられ、
ほぼ個人で瞑想を行うセンターもあったりするらしい。
そういう体験もしてみたいな。という反面、当分いいわ。
と思う自分ももちろんいる。
だけど、行こうか迷っている人がいたら間違いなく背中を押しお勧めする。

IMG_5981
沈黙が解除され10日間の合宿を終えた日の朝焼け


私が心打たれ感動した出来事や誰かとシェアしたい事が、

読んでくれているあなたの何かの気づきやヒントの種に

なってくれればとっても嬉しいことだな。と、思います。

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